仕事を、辞めるべきか続けるべきか
毎朝、起きるのがしんどい。
日曜の夕方になると、胸が重くなる。
仕事中、ふとトイレで深呼吸をしないと、保てない。
でも、辞めるとなると、急に怖い。
収入。次の仕事。家族の反応。年齢。経歴の空白。
全部の不安が、一斉に押し寄せてくる。
辞めたいのに辞められない。
続けたいのに続けるのも辛い。
その両極の間で、毎晩、自問しているんじゃないでしょうか。
最初に、ひとつだけ伝えたいことがあります。
「辞めるか続けるか」を、その質問のまま考えても、答えは出ません。
こういう夜に、思い出してほしい精霊がいます。
風の精霊テンペスト。「嵐の変革」の精霊です。
テンペストは激しくて本質的な精霊。
36柱の中で最も力が強く、優しくありません。
でも、嘘がない。
もう機能していない構造を、根こそぎ吹き飛ばす役目を持ち、
嵐の後に最も澄んだ空を見せてくれる精霊です。
精霊タロットには「元素の季節」という独自の概念があります。
仕事に違和感を持ち始めた今のあなたは、
おそらく「風の春」のはじまり。
新しい風が吹き込む準備期間です。
ただし、春は急に来ません。
冬の終わりにある、底冷えする時期こそが、春の前兆。
その底冷えが、いまのあなたの「辞めたい」かもしれません。
テンペストが伝えるのは、こういうことです。
「嵐は、壊すために来ているのではなく、
腐っていた屋根を取り除きに来ている。
新しい屋根は、嵐の後に張ればいい」
テンペストの問いかけは、
心理学の意思決定研究ともきれいに重なります。
人が大きな決断を二択に絞ると、
判断の質が著しく下がることが示されています。
脳は二択になると、両方の選択肢を過剰に極端に描く癖があり、
辞めた未来は最悪に、続ける現状は耐えがたいものに、
誇張して見えてしまう。
つまり、いまの苦しさの一部は、
選択肢を二択に閉じ込めていることそのものから来ている可能性があります。
研究では、
選択肢を3つ以上に増やすと、判断の質が大きく上がることが
示されています。
ここから、優しくない話を書きます。
辞めるか続けるかの判断には、
3つの問いを順番に通してみてください。
ひとつ目は、「身体が壊れていないか」。
眠れない、食べられない、涙が止まらない、
休日も回復しない、頭痛・胃痛が常態化している。
これらが当てはまる場合、判断はあと回しです。
まず休む。心療内科を受診する。傷病休職を視野に入れる。
体が壊れていく状態で出した結論は、後悔の母になります。
ふたつ目は、「成長が止まっているか」。
心理学者デシとライアンの自己決定理論では、
人の幸福度は「自分の能力が伸びている感覚」と
強く相関するとされています。
仕事が辛くても、何か学べているなら、価値はある。
辛いだけで、何も伸びていないなら、留まる理由は薄い。
みっつ目は、「3年後の自分が、いまの自分を許せるか」。
3年後の自分が、いまの選択を見たとき、
「あの時、ちゃんと自分を守ったね」と思えるか、
「あの時、続けすぎて病んだよね」と思うか。
時間軸を未来に置くと、目の前の不安が相対化されます。
それから、「辞める=ゼロにする」ではないことも、
頭の片隅に置いてください。
休職、異動希望、副業の準備、転職活動の開始、配置転換、
リモートへの切り替え、勤務時間の調整、産業医面談——
辞める前にできることが、実はたくさんある。
具体的に、ひとつ提案させてください。
今夜、紙に「いま考えられる選択肢」を、最低5つ書き出してみてください。
辞める、続ける、休む、異動、転職活動だけして決めずに溜める、
副業を始める、副業で生活費の半分を稼げるようにする、
など。
選択肢を増やすことで、心の余白が増えます。
辞める決断をしないままでも、
辞める準備だけ始めるのは、いつでもできる。
転職サイトに登録する。お金の貯蓄を増やす。
スキルの整理をする。健康診断を受ける。
準備は、決断ではない。
準備が進めば、進むほど、決断は、自然と整います。
今夜は、決めなくていい。
ただ、自分の体と心に、ちゃんと耳を傾けてあげてください。
最後に、テンペストの言葉を借りて。
「嵐は怖いかもしれない。
でも、嵐が過ぎた後の空は、どんな時よりも澄んでいる。
今は耐えるとき」
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